お盆を企業文化に
~社員のモチベーション向上~

暑い日が続いておりますが、皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
今回は活性化を目指す企業が、お盆を社内に取り入れ、会社全体の生産性向上等に活用できないかという視点でお話しさせていただきます。

背景

この記事を読んだ方の中には「どうしてお盆文化を会社に取り入れる必要があるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと存じます。
まず、お盆といいますのは西暦606年から続く日本固有の文化で、外資系企業からするとあまり馴染みのないものとなっております。
日本企業は特別休暇を設定している場合が多くみられるものの、外資系企業では海外本社が存在すら知らないことが珍しくありませんでした。
しかしながらここ15年近くは日本経済の停滞が著しく、各企業の人材募集も賃金ではなく働き甲斐を重要視する傾向に変化しております。
それに伴い、働き甲斐を向上すべく、外資系企業を含め様々な企業でお盆を有効活用する取り組みが増えて参りました。
転職を考えている方は現職の休暇となるお盆に情報を収集する場合も多く、画期的な取り組みは既存社員のモチベーション向上だけではなく
新規社員の獲得にも効果的です。

方法

【お盆を企業文化に】といっても、自分の会社は具体的にどのようなことを行えばよいのか。
リスト化しましたので、参考になりましたら幸甚に存じます。

① 夏季休暇として特別休暇を付与する
  → まとまった休暇を作ることで、社員のストレス解消に寄与し、仕事へのモチベーションも回復します。
② 有給休暇推奨日として設定する
  → 有給休暇取得率が向上しやすく、様々な企業で取り組まれています。
③ 社会貢献活動を実施する
  → 業務の一環として、地域に密着した活動を実施します。お祭り等でブース設置して地域特産品を紹介したりするなど
   会社の広報に繋げる活動が多くみられますが、企業によっては地域清掃なども実施されています。
➃ 帰省手当を補助する
  → 休暇などで実家に帰る社員に帰省手当を補助することで、社員の家族からの理解を得やすく、退職防止に効果的な場合があります。

上記以外にも例えば飲み会を開催したり、社員全員で纏めての夏季休暇が難しい場合はお盆を中心に休暇を調整するなど
様々な方法でお盆を活用できます。また、社員個々人が外部への業務ではなく自身の業務効率化に充てるというような、
殆どの企業が休暇中だからこそできる業務に集中させるのも一つの活用方法です。

注意点

上述したように、お盆は有効活用すれば会社としても全体の活性化に繋がります。
しかし、注意しなければならないのが【強制をしないこと】【会社負担で行うこと】です。

【強制しないこと】
例として、上記の③を強制しながらも、名目上はボランティアとして社員に無給で働かせ、自治体などに社会貢献を
アピールして仕事受注に有利になるよう働きかける事例が実際に存在します。強制かつ無給は労働基準法に反するため
労働基準監督署から指導勧告や立ち入り調査、刑事訴訟に発展するリスクがあります。

【会社負担で行うこと】
社員の協力で成り立っているものは社風として非常に脆く、経営陣でコントロールしにくいため、せっかくの初期投資や
計画を実施しても風化しやすい傾向にあります。効果がなく誰も望んでいない企業文化であれば淘汰すべきですが
効果が出てきた矢先にコントロールできず、有効活用に至らないというリスクがあります。

最後に

本日挙げさせていただいた方法に関しましては大企業をはじめとして、数多くの企業で見られるものです。
お盆文化の活用は実際に効果が得られており、現にほとんどの企業で淘汰されておりません。
しかしながら、その効果というのは従業員満足度の向上など、内部に向けたものほど定量化しにくく
退職率などに影響を与えるのも数年後からというように、費用対効果の算出が難しい傾向があります。

弊社は会計事務所が主体のコンサルティング会社ですが、中小企業診断士が在籍しており、上述したような
検討が難しい内容でも会社にあった解決方法を共に模索してご提案が可能です。
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