OpenAIのCEOであるサムアルトマンが解任後に即復帰!
~OpenAIの社内構造から徹底解説~
OpenAIは2023年11月6日にDevDayで重大発表をした僅か11日後の11月17日。
DevDayの壇上で演説していたCEOのサムアルトマンが急遽解雇されました。
そしてさらに解任発表から5日後の2023年11月22日にOpenAIがX(旧:Twitter)上でサムアルトマンの帰還を発表しました。
このような突然の解任からの復帰は通常の企業では殆ど見られません。
なぜこのような事態になったのでしょうか。それはOpenAIの特殊な構造にあります。
公式サイト内を確認してみると下記の図が掲示されています。
この画像を見てみると、最も権力を持っているのがBoard of Directors(取締役会)であるのが見て取れます。ここが通常の企業との最も大きな違いです。
通常の企業で一番権力を持っているのは株主総会になります。
これはOpenAIが非営利団体であることに由来しています。
上から二番目、左側のオブジェクトに
「OpenAI,inc.501(c)(3)Public Charity(OpenAI Nonprofit)」
と記載があるように、OpenAIはそもそもがアメリカの連邦法
「内国歳入法501条(c)(3)団体」=非営利団体
として認可・登録されています。同法上によると非営利団体は
個人、法人、および組合から無制限に寄付を受けることができ、その性質上から所有者=株主が存在しません。
通常であれば取締役会は株主総会で決定され、株主の意向が最も大切にされます。
しかしOpenAIのような非営利団体は株主総会が存在しない以上、取締役会が最高権限を持つことになります。
その取締役員は6人しかおらず、上場している大企業の株主数より圧倒的に少ないうえに全員が経営に携わっているため、
株主総会よりもフットワークが軽く決断も迅速に行われます。
これが今回世間を騒がせた一連の急展開を可能にした理由です。
今回はCEO解任で騒がれましたが、OpenAIのサービス展開を迅速にしたのもこの体制あってこそです。このように企業の特色や背景、性質はそのまま競争下での弱み・強みとして表裏一体の性質をはらんでいます。我々コンサルタントはお客様の企業分析から行い、その性質を強みとしてより一層伸ばせるよう精進して参ります。
<追記>
世間ではMicrosoftからOpenAIへの出資などをご存知だったことでOpenAIが営利団体であると思われる方もいらっしゃるかもしれません。よく報道される営利団体としてのOpenAIはOpenAI Global,LLCのこととなります。